知覚過敏について
- 2023年9月29日
- 治療
こんにちは。
日常生活で「しみる」という症状を感じ、歯医者さんに来院することがあると思います。
来院されてお話を伺うと「冷たい飲み物を飲んだ時にしみたのでむし歯だと思う」「うがいでしみたので虫歯がある気がする」というお話をされ、多くの方がむし歯かもしれないと心配されています。
しかし「しみる」という症状があるといって、必ず虫歯があるかというとそうではありません。
むし歯がないのにしみる症状が出る原因として知覚過敏というものが考えられます。
知覚過敏は冷たい物でしみたり、甘い物や酸っぱい物でしみたり、歯ブラシが当たるとしみる、喋ったときの空気の流れでしみるなど、どのようなときに症状が出るかは個人によって様々です。
上の図のように歯は一番外側からエナメル質、象牙質、歯髄と呼ばれる部位に分けられます。知覚過敏は冷たさや歯ブラシを擦る等の刺激が象牙質を介して歯髄に伝わり、しみる、痛いという症状を感じます。本来、一番外側を覆っているエナメル質、また周りを囲む歯肉が象牙質に刺激が伝わらないようにガードする役割をしていますが、次のようことがあるとガードをすり抜けてしみる症状を感じるようになります。
・過度な歯磨きやくいしばりなどによる歯頚部のエナメル質、象牙質の摩耗
※歯頚部:歯と歯茎の境目の部分
・くいしばり、歯ぎしりで生じるエナメル質表面の日微細なヒビ
・加齢や過度の歯磨きによるによる歯肉退縮
・歯肉炎、歯周炎
【対処法】
知覚過敏の症状は大なり小なり個人差があります。そのため症状の強さに応じて対処法の変わってきます。
①:日常で使用する歯磨剤を知覚過敏を防止する成分が入ってるものに変えましょう。また歯科医院ではしみやすい所に知覚過敏の症状を抑制する薬やコーティング剤の塗布を行います。
②:①の処置で効果のない場合で歯頚部のエナメル質、象牙質の摩耗がある場合は摩耗した箇所をコンポジットレジンで詰めることで症状の改善を図ります。
③:②も処置でも改善が見られず、何もしてなくても痛み日常生活に大きい支障をきたしている場合は神経をとる(抜髄)処置を行うことがあります。
また、くいしばり、歯ぎしりの習癖がある方はお口が全体的に知覚過敏が出やすい傾向にあります。就寝時にマウスピースなどを使用することで症状が緩和するケースがあります。
知覚過敏についてお話させていただきましたが、症状だけでむし歯なのか知覚過敏なのか判断することは難しく、鑑別のためにはレントゲン撮影等を必要とします。
少しでも気になる症状があればお気軽にご相談下さい。